Q. 卵アレルギーの子どもをもつ母親です。生の卵はダメでもクッキーなどは食べても大丈夫ということを聞いたのですが本当ですか?
A.
食物アレルギーは、原因となる食品や症状の強さなど個人差が大きく、一人ひとりがどの程度原因となる食品を除去していかなければならないかは難しい問題です。
症状が強く出る場合は、原因となる食材だけではなく、それを含む加工品や交差反応のある食材まで完全に除去します。(「食べて良いもの・いけないもの」参照)
しかし症状が軽い場合は、アレルゲン(アレルギーを引き起こす原因食材)によっては加熱調理したものは食べることが出来る場合があります。これは、熱を加えることでタンパク質の構造が変化(変性)して、アレルギーの原因となる抗原性が弱まるからです。卵アレルギーの場合、生の卵はダメでも加熱料理した固ゆで卵やクッキーなどは食べられる人がいます。
個人個人違いますから、まずは勝手に判断しないで専門医に診てもらいましょう。
Q. 乳アレルギーの3歳児の子どもがいます。『乳』は、多くの加工品に含まれているため食品選びに苦労しています。いつも原材料表示を確認していますが、添加物で「乳化剤」というのをよく見かけます。「乳化剤」とは何ですか。乳アレルギーの子どもには食べさせてはいけないものなのでしょうか?
A.
洋菓子や市販のルーなどには『乳』が使われているものも多いため、表示を確認することはとても重要です。でも、『乳』と記載されたもののすべてがダメなわけではありません。
「乳化剤」は、2つ以上の液体をクリーム状にする作用がある添加物のことで『乳』とは全く関係のないものです。こうした紛らわしい表記は他にも、「乳酸カルシウム」、「乳酸ナトリウム」があり、これらも『乳』とは関係ありません。
Q 最近米粉パンを売っているパン屋さんが多くなりました。パンを食べたことのない小麦アレルギーの娘にぜひ食べさせたいと思っています。何か注意することはありますか?
A.
小麦粉に水を加えてこね続けていくと、最後にゴム状の塊が残ります。これが、グルテンと呼ばれるもので、小麦アレルギーの原因となるたんぱく質です。最近の報告で、グルテンの成分のグリアジンが小麦アナフィラキシーの主なアレルゲンであることがわかってきました。これらの小麦アレルゲンは、高温で加熱してもアレルゲン性は低下しないため、焼き菓子やパンなど小麦を材料とする食品は、小麦アレルギーの人は食べることができません。
実は市販の米粉パンには、このグルテンを10~50%入れているものが多いのです。(グルテンの作用でふっくらしたパンができるため)ですから、米粉パンを購入する場合は、小麦アレルギーであることを告げ、必ず「米粉100%で作ったパンなのか」、「グルテンが全く入っていないパン(米粉にはグルテンは存在しません)」なのかを、パン屋さんに確認してください。
また、パン屋さんは、小麦パンも米粉パンも同じ厨房で作っていることが多く、コンタミネーション(混交:ここでは小麦粉が微量でも米粉に入ってしまうこと)の危険性もあります。特に、小麦アナフィラキシーを起こしたことがある場合には、細心の注意が必要です。